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アバド指揮、ベルリン・フィル。
もう、震えが止まらなかった。
心臓が握りつぶされるかのよう。

今日の演奏会、クラウディオ・アバド指揮、ベルリンフィル。

彼は神のようだ。
でも、人間なの。とても人間。人間の音、がする。


今日、自分が生きていることに心から感謝せずにいられなかった。

後半、モーツァルトの17番のソリストには、M.ポリーニが登場。
私はここで深く考え込んでしまう。
「年をとること」についてと「年のとりかた」について。
一体この二人の巨匠は、どんな風に今まで、時間のひとつぶひとつぶを重ねてきたのだろう。
それは血の滲むような努力とか、試練とか、挫折とか苦しみや悲しみといったことより、
「ひとりの人間として、どういうふうに生きてきたか」というところに、私の関心はある。
例えば、あるひとつの物、ないしものごとに対して何を感じるかとか、生活の色とか
感性とか価値観とか哲学とか人生観とか、そういったこと。
そして私は今、意味と内容にフルに満たされた、年の取り方をできてきたのだろうかと。。。。

今日、マーラーの10番、Adagioの最後の音が鳴り響いたとき、
アバド氏は聴衆の感動とは裏腹に、それはなんでもなかったかのように、すぐに体勢を緩めたが、
私は結局、何度となく繰り返されるカーテンコールの中、ろくに拍手ができなかった。
その後、師匠や知人たちに会っても、ろくに言葉がでてこなかった。
それ位、放心していた。
そういう、音楽だった。


巨匠たちの話が先になってしまったが、
前半しっかり魅せつけた若手のホープ、アンナ・プロハスカの歌もとっても秀逸だった。
今夜はモーツァルトのアリアとアルバン・ベルクのルル組曲から。
どんな作品でも、するりと自分のものにしてしまう感じ。とってもタフ。
彼女はベルリンで勉強し、ベルリン国立歌劇場でも頻繁に歌っているため、
ベルリンでは聴ける機会も多く、またとても人気。

しかし今日は、アバド氏が前回にも増してお元気そうだったのが、
今日、何よりも嬉しかったこと。
姿勢もぴんとしていて。
跳ねるように舞台に出てきて。
いつまでもお元気でいてほしい。

さて、水曜日には再びアバド氏がフィルハーモニーの舞台に上がります。
今度の水曜日、2011年5月18日は、
マーラーの100回目の命日なのです。
それを記念した、一夜限りのコンサート。
今日演奏されたマーラーの10番、Adagioと、Lied von Erde、すなわち「大地の歌」というプログラム。
ソリストには私の大好きな二人、
ヨナフ・カウフマンとアンネ・ゾフィー・フォン・オッター。

楽しみです。
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【2011/05/16 07:21 】 | コンサート | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
ミッシャ・マイスキーのコンサートで起きたハプニング
今日はミッシャ・マイスキーのバッハの無伴奏組曲1・4・5番のコンサートへ。
しかし、結果から言うと、大変残念な演奏会となりました。
2曲目の4番をいざ弾こうと、彼が弓を構えて、最高の沈黙がおとずれ、
息を吸おうとした、その時、

ピピピピピピピピピピピピ、ピピピピ、ピピピピ・・・

会場は深い深い落胆の空気に包まれました。

絶句、としかいいようがありません。

完全に気分の悪くなってしまった巨匠、2番を弾きます、といって、急遽曲目変更。
(おそらく曲目変更は最初から計画されていたものではなく、このハプニングによって、彼の気分が、2番を弾く気分にならなくなってしまったことによって、だと思います。そのようなことをちょっと二言三言、話したのですが、落胆した彼の声はよく聞こえず、ちゃんと理解できず)

でもその後休憩を挟み、しかし終演まで巨匠の表情は明らかに「不機嫌」のまま、
アンコールも聴衆の熱烈な拍手もむなしく一曲のみ、
開演前と休憩にはあちこちに「今日は終演後サイン会!!」の真っ赤なポスターが貼られていましたが、
終演後にはそれらは全てなくなっており、予定されていたサイン会も、中止となりました。

私の前に座っていた10歳くらいの女の子、チェロを習っているようで、
コンサート中ずっとバッハの楽譜を握り締めており、
終演と同時に、サイン会の列に並ぼうと、一目散に走って出て行ったのに。


すべての人が「がっかり」を味わったはず。


電話が鳴ってから、いつ次に鳴るだろう、とビクビクしていて落ち着かなかったのは私だけじゃないはず。


電話を鳴らしてしまった人も、不注意だったわけで、悪気があったわけではないはずだから、
こんなに演奏会全体を、完全に悪い雰囲気にしてしまったことはショックだと思うし、
私だったら一生立ち直れないかもしれませんが、
でもそれだけ全てを台無しにしてしまう、罪なことだ、ということを、皆が理解せねばいけませんね。
ダメですよ、絶対。

それでも、今日は本当に極端で希少な例で、
ベルリンの聴衆は、基本的には「聴衆として」とても優秀です。
フィルハーモニーの大ホールなど、2000人以上の人間が、息を潜めて、耳を傾けている瞬間は
並ではない緊張感があり、ゾクッとするほどです。
しかし非常に高いレベルの聴衆が99%であっても、1%の人間に、それをぶち壊しにする能力が十分ある。

コンサートホールというのは、本当にデリケートな場所なのです。

【2011/02/23 07:59 】 | コンサート | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
アルフレッド・ブレンデルのレクチャー
私が世界で一番大好きなピアニスト、アルフレッド・ブレンデル。
演奏活動はもうしていませんが、
今日はベルリン・フィルハーモニーにて、彼のレクチャーを聴いてきました。

テーマは「音楽の冗談」。

ハイドン、ベートーヴェンを中心に色々な例を弾きながらのレクチャー。
大まかに言うと、まず、何が音楽的な冗談か、冗談になり得るか、という話を、ハイドンの小品を題材に。もしハイドンがこう書いたら?ここにゲネラルパウゼがあったら?ここがナポリの6になったら?そしたらこんなふうにその先が続くかも?という話を、弾きながらも表情いっぱいの顔芸つきで、とっても面白おかしく語ってくれました。

それに続き、難しいことは抜きに、こんな笑っちゃうようなこと書いてるよ、ルードヴィッヒはさぁ、みたいな話を、ベートーヴェンのディアベリ変奏曲、ソナタop31-1、英雄交響曲4楽章の冒頭など、ひたすら例を挙げつつ、しかもどう面白いか、これまた顔芸つきで表現してくれるブレンデル氏。
最後には、でも書かれた冗談は冗談として伝わらなければ意味がないので、表現者はそこんとこ注意!というお話も。
いつも演奏会やCDでかしこまった彼ばかり見てきたので、あーんなにユーモラスでオープンな感じな彼は、とても新鮮でした。
正直なところ、隅々までドイツ語を理解することができなかったのは本当に悔しかった!!
ドイツ語もっと上達したい!!話すのはなんとかなっちゃったりするけれど、聞き取りはやっぱり壁。
でも本当に幸せな時間でした。

私は、サインの意味って?思うところがあって、滅多にサインをもらうことはないのですが、
今日は終演後にサイン会があり、何せ私にとって彼は大好きすぎる方なので、今日ばかりはサインを頂きました。
「小さいころからあなたの音楽が大好きです」、と言うと、
最初伝わらなくて(どうやら少し耳が遠くなってきている模様)
何?何?キミ今なんて話したの?ってわざわざ聞き返してくださり、
もう一度伝えると、大きな、ぎょろぎょろとした目でじっと私を見て
「ありがとうありがとう、またね」と言って下さり、感動。
DSC_0159_R.jpg




明日は室内楽を含めた「続編」です。
チケットが手に入ればいくつもり。
【2011/02/09 08:30 】 | コンサート | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ウィーンフィルのベートーヴェン・ツィクルス。
久しぶりのブログ更新。

ベルリンはこれでもかとばかりに冷え込む日々が続いています。

そんな中、今週はベルリンにクリスティアン・ティーレマン指揮によるウィーンフィルがやってきて、
4日間かけて、ベートーヴェンの交響曲を全曲演奏、という大掛かりな企画が開催されました。

私は幸運にも全公演聴くことが出来ましたが、
おかげさまで今週は怒涛の、しかし大変充実した一週間となりました。
聴くほうも気合と体力が・・・
しかし、本当に貴重な体験であったことは間違いありません。

大まかな概要は

一日目:交響曲4・5番(アンコールにエグモント序曲)
二日目:交響曲6・7番
三日目:交響曲1・2・3番
四日目:交響曲8・9番
(Sop:Annette Dasch、Alt:藤村美穂子、Ten:Robert Dean Smith Bs:Robert Holl Chor:Rundfunkchor Berlin)

指揮は全てChristian Tielemann,Wiener Philharmoniker。

全体的な感想を、ひとことで言ってしまうと
ベートーヴェンを、聴いた」という感じ。
その思いは日を重ねるにつれ、大きくなりました。
最初はああ、ウィーンフィルの音だ、と感じ
それから「ティーレマンの音楽」を感じ、
それから最後には「ああ、今私は、ベートーヴェンを感じている」と思ったのです。

いや、正確に言うとティーレマンの実力には最初から圧巻でした。
今回の一番の感動ポイント(?)は、まぎれもなくティーレマンの底力でした。
たぶん、とても誠実で、謙虚で、音楽を尊敬している方に違いないと思います。
彼の演奏(指揮)は前から大好きですが、またひとつその思いが深くなりました。

とにかく、センスがいい。

あのセンスの良さは言葉で表現できぬ。

でも自己表現を押し付けるようなことは瞬間たりもなく、あくまで作品のもつ力を尊重している。
そこに私は深い共感と好感を覚えました。
細かいディティールなどにも、かなりこだわりを感じました。

ティーレマンは先シーズンまでつとめたミュンヘン・フィルのシェフをやめて、
来シーズンからゼンパーオパー(ドレスデン州立歌劇場)のシェフに就任予定。
ティーレマンとミュンヘンフィルで素晴らしい演奏を聴かせてくれていたのでちょっと驚きましたが、
ドレスデンでの活躍も期待したいです。
何より、彼のオペラを聴けるのは楽しみ。
彼はベルリン生まれで、
彼のキャリアの最初のほうでベルリンのドイチェ・オパーの指揮者として振っていたのであり、
いつも彼のオペラを観てみたいと思っていました。
ドレスデンはベルリンから近い。ちょっと電車に乗れば、2時間ちょっとで着いてしまいます。
是非、聴きに行きたいな。

今年の2月にもウィーンフィルはマゼ-ル指揮で演奏しに来ているのですが、
その時よりも、全体的にずっと音楽の質が深かったと感じました。
あの時は、たしかにものすごく均整の取れた、緻密で美しい演奏だったことには間違いありませんが。
ちなみにこの2月のマゼール指揮でのウィーンフィルのベルリン公演でも、ベートーヴェンの6番が演奏されました。
ウィーンフィルなんて滅多に聴けないのに、この一年の間に違う指揮者で聴き比べが出来るなんて贅沢。
(過去記事参照:http://innig.blog110.fc2.com/blog-entry-5.html)

過去記事でも書いたように、ベルリンフィルとウィーンフィルを比べるのは全くナンセンスなことなのですが、
ただベルリンフィルを聴きなれている耳でウィーンフィルを聞くと、
ウィーンフィルには「音の重なり」に音楽と美を感じます。
その重なりの間にうまれる緊張感のある摩擦に、ビリッとくる。
また、すごく違うと思ったのはティンパニや低音楽器の「メリメリッ」と木の割れるような通った響き。
あれもまた快感。
ナチュラルホルンの響きも、すごく味わい深くていいなぁと思いました。
特に3番3楽章でのあの、ホルンのトリオの場所など、ナチュラルホルンの響きがものすごくしっくりきて、
いつも感じる情景と全然違った!!

そしてもうひとつ、私が特筆したいのは、フルート首席のシュルツ氏の音に心打たれたこと。
テクニック的な面から言えば、昔に比べれば劣ってはいる。
でもなぜか、どんなに全オーケストラがフォルテッシモで鳴らしていても、彼の音はふわりと浮き上がって聴こえるのだ。
特別に彼が大音量で吹いてるわけでも、ピッチが高いわけでもない。なのに。
全てがあまりに音楽的であり、彼自身が心から音楽を味わっているのがわかる。
その姿はあまりに素敵で、胸が締め付けられた。
オーケストラのど真ん中にほっぺを赤くしてどかーんと座って、
篠笛を吹くかのようにフルートをちっちゃそうに構え
でもその音とオーラが、もう・・・。

それから、クラリネットのオッテンザマー(父・・息子さんもウィーンフィルクラリネット奏者)氏の超絶ピアニッシモも心臓が痛かったなぁ・・・。

最終日の今日は、フィナーレらしく第九が演奏され、
そこでアルトのソロを歌われたのが日本が誇るアルト歌手、藤村美穂子さん。
第九のアルトソロは他の3人に比べるとあまり目立ちませんが、
そのベルベットのようなお声はアンサンブルの隙間をしっとりと埋め、美しかったです。
日本人の活躍、私のような海外に生活する音楽家には、とても嬉しく思います。
4人のソリストはみなさん本当に素晴らしかったけど、
バスのHoll氏は特に圧巻でした。
最初の「O,Freunde」の一言で、体に稲妻が走ったかのように震えました。
ものすごい説得力。
今まで数知れず「第九」を聴いてきたけれど、今日のあのHoll氏のソロは私の中で最高に印象深いものとなりました。


また個々の交響曲については、追記するかもしれません。


【2010/12/06 05:14 】 | コンサート | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
ベルリン音楽祭 三日目
ベルリン音楽祭3日目。

今日はSWR Symphonie Orchestra。
ドイツ南部、バーデン・バーデン/フライブルクのオーケストラです。

指揮はフィンランドの女性指揮者、スザンナ・マルッキ。
さっそうとして、スマートながら、時折少女のような表情を見せる彼女。
今回の音楽祭では、この後、シェフを務めるEnsemble Intercontemporainとともにもう一度登場予定。大活躍。
かなり、コンテンポラリー作品に的を絞って活動されているみたいですが、そうじゃない作品での演奏も聴いてみたいところ。

私は、このSWR Symphonie Orchestraのサウンドが、前からとても好きなのですが、
今日はちょっと、みんな楽譜にしがみつき、拍、数えてますー!!な空気が色濃く、伝わって来るものは残念ながらちょっと気薄でした。

でも休憩後のpIerre-Laurent AimardによるBoulezのピアノ・ソナタ 1番は、とっても素晴らしかった!
色んな色や情景、世界が見えました。
「表現」っていうのは、気迫とか精神力とか、集中力とか、もちろん体力も、いろんな、凝縮されたエネルギーが必要。
そのことを改めて痛感する演奏でした。





【2010/09/04 23:19 】 | コンサート | コメント(1) | トラックバック(0) | page top↑
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