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ウィーンフィルのベートーヴェン・ツィクルス。
久しぶりのブログ更新。

ベルリンはこれでもかとばかりに冷え込む日々が続いています。

そんな中、今週はベルリンにクリスティアン・ティーレマン指揮によるウィーンフィルがやってきて、
4日間かけて、ベートーヴェンの交響曲を全曲演奏、という大掛かりな企画が開催されました。

私は幸運にも全公演聴くことが出来ましたが、
おかげさまで今週は怒涛の、しかし大変充実した一週間となりました。
聴くほうも気合と体力が・・・
しかし、本当に貴重な体験であったことは間違いありません。

大まかな概要は

一日目:交響曲4・5番(アンコールにエグモント序曲)
二日目:交響曲6・7番
三日目:交響曲1・2・3番
四日目:交響曲8・9番
(Sop:Annette Dasch、Alt:藤村美穂子、Ten:Robert Dean Smith Bs:Robert Holl Chor:Rundfunkchor Berlin)

指揮は全てChristian Tielemann,Wiener Philharmoniker。

全体的な感想を、ひとことで言ってしまうと
ベートーヴェンを、聴いた」という感じ。
その思いは日を重ねるにつれ、大きくなりました。
最初はああ、ウィーンフィルの音だ、と感じ
それから「ティーレマンの音楽」を感じ、
それから最後には「ああ、今私は、ベートーヴェンを感じている」と思ったのです。

いや、正確に言うとティーレマンの実力には最初から圧巻でした。
今回の一番の感動ポイント(?)は、まぎれもなくティーレマンの底力でした。
たぶん、とても誠実で、謙虚で、音楽を尊敬している方に違いないと思います。
彼の演奏(指揮)は前から大好きですが、またひとつその思いが深くなりました。

とにかく、センスがいい。

あのセンスの良さは言葉で表現できぬ。

でも自己表現を押し付けるようなことは瞬間たりもなく、あくまで作品のもつ力を尊重している。
そこに私は深い共感と好感を覚えました。
細かいディティールなどにも、かなりこだわりを感じました。

ティーレマンは先シーズンまでつとめたミュンヘン・フィルのシェフをやめて、
来シーズンからゼンパーオパー(ドレスデン州立歌劇場)のシェフに就任予定。
ティーレマンとミュンヘンフィルで素晴らしい演奏を聴かせてくれていたのでちょっと驚きましたが、
ドレスデンでの活躍も期待したいです。
何より、彼のオペラを聴けるのは楽しみ。
彼はベルリン生まれで、
彼のキャリアの最初のほうでベルリンのドイチェ・オパーの指揮者として振っていたのであり、
いつも彼のオペラを観てみたいと思っていました。
ドレスデンはベルリンから近い。ちょっと電車に乗れば、2時間ちょっとで着いてしまいます。
是非、聴きに行きたいな。

今年の2月にもウィーンフィルはマゼ-ル指揮で演奏しに来ているのですが、
その時よりも、全体的にずっと音楽の質が深かったと感じました。
あの時は、たしかにものすごく均整の取れた、緻密で美しい演奏だったことには間違いありませんが。
ちなみにこの2月のマゼール指揮でのウィーンフィルのベルリン公演でも、ベートーヴェンの6番が演奏されました。
ウィーンフィルなんて滅多に聴けないのに、この一年の間に違う指揮者で聴き比べが出来るなんて贅沢。
(過去記事参照:http://innig.blog110.fc2.com/blog-entry-5.html)

過去記事でも書いたように、ベルリンフィルとウィーンフィルを比べるのは全くナンセンスなことなのですが、
ただベルリンフィルを聴きなれている耳でウィーンフィルを聞くと、
ウィーンフィルには「音の重なり」に音楽と美を感じます。
その重なりの間にうまれる緊張感のある摩擦に、ビリッとくる。
また、すごく違うと思ったのはティンパニや低音楽器の「メリメリッ」と木の割れるような通った響き。
あれもまた快感。
ナチュラルホルンの響きも、すごく味わい深くていいなぁと思いました。
特に3番3楽章でのあの、ホルンのトリオの場所など、ナチュラルホルンの響きがものすごくしっくりきて、
いつも感じる情景と全然違った!!

そしてもうひとつ、私が特筆したいのは、フルート首席のシュルツ氏の音に心打たれたこと。
テクニック的な面から言えば、昔に比べれば劣ってはいる。
でもなぜか、どんなに全オーケストラがフォルテッシモで鳴らしていても、彼の音はふわりと浮き上がって聴こえるのだ。
特別に彼が大音量で吹いてるわけでも、ピッチが高いわけでもない。なのに。
全てがあまりに音楽的であり、彼自身が心から音楽を味わっているのがわかる。
その姿はあまりに素敵で、胸が締め付けられた。
オーケストラのど真ん中にほっぺを赤くしてどかーんと座って、
篠笛を吹くかのようにフルートをちっちゃそうに構え
でもその音とオーラが、もう・・・。

それから、クラリネットのオッテンザマー(父・・息子さんもウィーンフィルクラリネット奏者)氏の超絶ピアニッシモも心臓が痛かったなぁ・・・。

最終日の今日は、フィナーレらしく第九が演奏され、
そこでアルトのソロを歌われたのが日本が誇るアルト歌手、藤村美穂子さん。
第九のアルトソロは他の3人に比べるとあまり目立ちませんが、
そのベルベットのようなお声はアンサンブルの隙間をしっとりと埋め、美しかったです。
日本人の活躍、私のような海外に生活する音楽家には、とても嬉しく思います。
4人のソリストはみなさん本当に素晴らしかったけど、
バスのHoll氏は特に圧巻でした。
最初の「O,Freunde」の一言で、体に稲妻が走ったかのように震えました。
ものすごい説得力。
今まで数知れず「第九」を聴いてきたけれど、今日のあのHoll氏のソロは私の中で最高に印象深いものとなりました。


また個々の交響曲については、追記するかもしれません。


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【2010/12/06 05:14 】 | コンサート | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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